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令和5年度 施政方針

最終更新日: 2023年3月17日

令和5年第1回定例議会(3月6日)の冒頭において、
平野町長が述べた令和5年度施政方針の全文は、次のとおりです。

 

PDF版:令和5年度施政方針(内容は下記と同じです)

 

 

 

令和5年度 施政方針

 本日、ここに令和5年第1回定例議会の開会に際し、令和5年度の予算案並びに議案についてのご審議をお願いするにあたりまして、所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、ウクライナ軍事侵攻等による国際情勢の悪化に伴う急激な円安、物価高騰により、町民の皆様の日常生活や地域経済は大きな影響を受けました。そのような状況ではありましたが、皆さま一人ひとりによる感染予防の取り組みはもとより、関係機関と連携したワクチン接種の実施など、着実に感染拡大防止対策に取り組んできたことにより、4年ぶりに「長南フェスティバル」を再開することができたことは、明るい兆しであったと考えております。令和5年度につきましても、感染拡大の防止と社会・経済の両立を念頭に、ウィズコロナ、アフターコロナの取り組みを推進してまいります。

 また、まちづくりの総合的な指針となる「長南町第5次総合計画」を基軸として、主要課題である人口減少・少子高齢化に起因する様々な課題や変化をしっかりと受け止め、自立的で持続可能なまちづくりを目指すとともに、引き続き、住民目線で住民に寄り添った行政サービスを推進してまいります。

 さて、我が国の経済情勢を見渡しますと、ウィズコロナの下で各種政策の効果により、景気が持ち直していくことが期待されています。しかし、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクになると言われておりますので、引き続き動向を注視してまいります。

 町の財政状況では、令和3年度決算から見ますと、健全な財政運営を判断する4つの指標である健全化判断比率は、いずれの指標も早期健全化基準を下回っていることから、町の財政運営は健全な状態にあると言えます。

 また、財政構造の弾力性を表す経常収支比率は、前年度と比較しますと4.5ポイント減の77.5%、義務的経費は3.6ポイント減の40.7%と、ここ数年で改善されてきていますので、引き続き財政の硬直化とならないよう努めてまいります。

 令和5年度一般会計予算につきましては、町税総額は、固定資産税において償却資産の増収見込みがあることなどから、前年度と比較して4.2%上昇していますが、自主財源の確保は依然として厳しい状況にあります。

 事業の実施にあたっては、過疎対策事業など地方交付税の算入に有利な地方債の活用や、各基金からの繰り入れなどによる財源措置を行い、予算総額は前年度比8%減となる48億900万円の編成といたしました。

 それでは、長南町第5次総合計画に位置付けた6つの基本方針に沿いまして、各事業に係る方針を申し上げます。

 

はじめに、

 

1「社会基盤の充実したまち」では、

 

 役場庁舎建設につきまして、新たな防災拠点として本年1月末に完成し、2月27日から新庁舎での業務を開始しているところでございます。

 町民の皆様や来庁者が利用しやすく、好感の持てる庁舎となるよう、職員一同気持ちを新たに執務に取り組んでまいります。また、庁舎建設に合わせて複数メディアと連携構築し整備いたしました防災行政無線についても有効活用し、情報発信力を強化してまいります。

 次世代の社会基盤となるデジタル化については、行政システムの統一化にも配慮しながら、利便性向上と普及促進に努めてまいります。

 マイナンバーカードにつきましては、マイナポイントの効果もあり、3月1日時点の本町の交付率は62.5%となっており、身分証明、健康保険証としての活用のほか、年金や給付金などの公金受取口座の登録も進んでおります。本町におきましては、今月(3月)からコンビニ等に設置されている端末機で住民票や印鑑証明、所得証明書の取得が可能になりますことから、定期的な周知を行いながら利用率の向上に努めてまいります。

 次に、町道につきましては、学生の交通安全対策を優先に通学路の整備を促進し、社会インフラについては、長寿命化修繕計画等に基づき、適切な維持管理に努め、住民が安心で安全な生活を送れる生活基盤の維持を図ってまいります。

 また、河川につきましては、準用河川長南川において、流れを阻害する竹木の伐採等を継続して実施し、家屋等の浸水対策に取り組んでまいります。

 地籍調査事業につきましては、調査開始から10年目を迎え、計画区域の約5割の現地調査が完了し、今後も事業計画に基づき継続して実施してまいります。

 地域公共交通につきましては、交通空白地解消のため、巡回バス及びデマンドタクシーを運行してまいりましたが、人口減少による公共交通利用者の減少により、現状では効率的な公共交通網の維持が困難であることから、令和3年度に公共交通の利用実態及びニーズ調査・分析を実施し、令和4年度に第2次となる長南町地域公共交通計画を策定しました。この計画に基づき、令和5年度は利用者数が少ない巡回バスを廃止し、ニーズの高いデマンドタクシーの運行時間等を拡充するなど、更なる充実化を図り、利用しやすい公共交通網の形成を目指してまいります。

 重要なライフラインのひとつである地上デジタル放送の受信につきましては、老朽化が進んでいる西地区テレビ共同受信聴視施設について、令和4年度に光化改修工事を発注いたしました。令和5年度も引き続き光化改修工事を行い、年度内の完了を目指すとともに、安定した放送受信ができるよう努めてまいります。

 

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2「活力と賑わいにあふれたまち」では

 

 地方創生・地域活性化に向けて策定した「第2期長南町 まち・ひと・しごと創生総合戦略」の計画期間が3年目を迎えます。全国的に地方の人口減少に歯止めがきかない現状の中で、コロナ禍など社会経済状況の変化に対応し、我が町の特色を活かしながら、農業・商工業・観光の振興、企業誘致、人口対策、雇用創出など、あらゆる側面から、活力と賑わいにあふれたまちづくりに取り組んでまいります。

 まず、移住・定住促進の取り組みにつきまして、近年普及している二拠点居住やリモートワークなど、新しい暮らし方や働き方を目指して生活拠点を求めている移住希望者の受け皿を確保するため、「長南町空き家バンク登録促進事業補助金」により、主要課題の一つである空き家の増加抑制、有効活用を図ってまいります。同時に、「若者定住及び三世代同居促進奨励金制度」を連動させ、若年層の転入促進及び流出抑制、増加する高齢者世帯の抑制を図ってまいります。

 また、令和3年度に策定した「長南町空家等対策計画」に基づき、住民にわかりやすい総合窓口

を設置し、関係課で横断的に情報共有を図る組織体制により、空家化の予防・抑制、空家の流通促進を図ってまいります。

 企業誘致につきましては、長南西部工業団地計画 跡地、空港代替地といった遊休町有地や、耕作放棄地・空き地等の民有地の活用も視野に入れ、引き続き、地域経済の活性化や雇用創出につながる企業の誘致に取り組んでまいります。

 また、旧長南小学校の校庭に整備しているスケートボードパークが本年3月末に完成を迎えます。スポーツによる青少年の健全育成と同時に、長南町の新たな魅力の一つとして、交流人口の増加、地域の賑わい創出の場となるよう、運営管理を行ってまいります。

 農林業の振興につきましては、国が進める「食料・農業・農村基本計画」や「みどりの食料システム戦略」の動向を注視しながら、本年も引き続き、農地の集積・集約化、担い手の農地利用を促進し、生産額の増加につながる施策を展開してまいります。

 本町の主要作物である水稲につきましては、就農者の高齢化や後継者不足、新型コロナウイルスの影響による米価下落、ウクライナ情勢による肥料高騰など、依然として厳しい状況が続いております。このようなことから、地域の中心となる経営体等を定める「人・農地プランの実質化」を進め、次世代を見据えた農業の推進、新たな担い手の確保に努めてまいります。

 また、今年度からは林業振興対策といたしまして、森林の持つ国土保全、水源涵養(すいげんかんよう)等の多面的機能を守るため、森林整備施業(しんりんせいびせぎょう)に不可欠な地域活動を支援するため、間伐や植栽など森林整備の促進を図ってまいります。

 有害獣対策につきましては、国県の補助制度を活用した地域ぐるみの対策を具体的に推進するほか、実施隊をはじめとした捕獲従事者と共に、機材及び配置の増強を行いながら、積極的に捕獲を行ってまいります。

 多面的機能支払につきましては、各地区での共同作業が定着し、様々な面での波及効果をもたらしておりますので、引き続き導入地区の拡大を図ってまいります。

 商工業の振興につきましては、昨年も、新型コロナウイルス感染症対応臨時交付金を財源とした地域応援券事業により消費喚起を行い、商店等への事業継続支援など、地域に寄り添った活動を実施してまいりました。引き続き経営改善指導や、資金融資に対する利子補給を行い、町全体の商工業活性化を支援してまいります。

観光分野につきましては、野見金公園周辺において、水沼地区の住民主導により、トレッキングコースの第2期工事が竣工しました。また、野見金公園では、複合遊具等を設置した事により、これらを併せた公園施設の適切な維持管理を実施し、観光需要を積極的に取り込めるよう、活用を図ってまいります。

 また、広域的な観点から、県、観光連盟、各協議会等と連携し、圏域内に存在する様々な魅力や資源を結び付けた広域観光ルートの設定や、インバウンドの取り組みを行うなど、新たな地域の魅力を発信してまいります。

 今後検討を進めていく予定の農産物直売所につきましても、地場産業の育成、農業・商業・観光業の振興とともに、高齢化が進む本町における町民の日常生活の維持、生活利便性向上等の観点から、利用者ニーズに対応した規模や位置、運営方式などの検討を段階的に行っていきたいと考えております。

 

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3「自然と調和した暮らしやすいまち」では

 

 本町が守り続けてきた豊かな自然環境は長南町固有の資源であり、重要な財産です。この財産を未来に向けて絶やさず、地域資源として有効活用を図ることが、世界的な取り組みであるSDGsの推進、脱炭素社会の実現の根本とも言えます。

 ガス事業では、「安全と安心を最優先」をテーマに、安定供給を将来にわたり継続し、昨今のエネルギー価格が高騰する中、安くて魅力的なガス料金を維持し、安全で快適な生活に貢献してまいります。

 また、宅内の経年白ガス管対策、主要管路のループ化、ガスホルダーの開放検査をはじめとする、中長期的な視点に立った計画的な経営基盤の強化に取り組んでまいります。

 豊かな自然環境の保全につきましては、生活雑排水の適正な放流のため、合併処理浄化槽の設置に対して支援を行うなど、きれいな水環境の維持に努めてまいります。

 持続可能な循環型社会の推進につきましては、住宅用省エネルギー事業として、家庭用蓄電池システムと電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車の購入に対して支援を行ってまいります。また、温室効果ガス削減に向けた取り組みとして、令和5年度から新たに『わが家のエコ電補助金』を創設し、ご家庭における照明器具等のLED化を図り、電力使用量の削減を目指して支援を行ってまいります。

 

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4「だれもが健康で元気に暮らせるまち」では、

 

 福祉の分野では、少子高齢化や核家族化の進展に伴い、行政に求める支援も多様化しており、民間事業者とも連携を図り、自助、互助、共助、公助のバランスのとれた福祉のまちづくりが求められていると考えております。

 まず、児童福祉の分野では、保育所・幼稚園の利用料無償化を引続き行い、子育て世帯の経済的な負担軽減を図るなど、子育てのしやすい町となるよう努めてまいります。

 障がい者、障がい児の福祉につきましては、「第6期障がい計画」「第2期障がい児童福祉計画」の両計画に基づき、それぞれの人格や個性を尊重した福祉サービスの提供を行うための施策、体制づくりを図ってまいります。

 高齢者福祉につきましては、「第8期介護保険事業計画」は最終年となります。高齢者の生活の質を少しでも向上させるため、現状の課題を把握し、できる限り住み慣れた地域で介護サービスを受けられるよう、各種サービスの充実に努め、且つ安定的な事業運営ができるよう、次期計画を策定してまいります。

 また、介護予防事業のほか、健康寿命を延ばすことを目的とした、認知症予防施策を推進するため、町の認知症サポート医を中心とした予防事業や、地域住民及び事業者との協働によるコミュニケーションの場の提供などを、包括支援センターを中心に進めてまいります。

 更に、町社会福祉協議会を通して、独居高齢者への給食サービスや買物支援などの高齢者福祉事業を実施するとともに、きめ細かい福祉の充実を図るため、社会福祉協議会の活動を支援してまいります。

 

 保健事業では、健康増進を総合的に推進し、町民の皆様が健康で元気に暮らせるまちづくりに取り組んでまいります。 コロナ禍の長期化に伴う生活環境の変化により、生活習慣病のリスクが高まっていることから、健活クラブをはじめ、ちょな丸ポイント事業等により、健全な食生活や生活習慣の定着に向けた取り組みを継続してまいります。

 また、特定健診、各種がん検診などの受診率の向上及び受診後の保健指導、健康相談業務の充実に努めてまいります。

 母子保健では、妊娠期から出産・子育て期にわたるまで、様々なニーズに即したきめ細かな相談支援の充実を図り、安心して子育てをできる環境づくりに努めてまいります。

 

 

5「豊かな心をはぐくみ、生きる力を学べるまち」では、

 

 学校教育につきましては、長南町教育振興基本計画の基本理念である『人とつながり、地域とつながり、次世代へつなげる 長南の教育』を推進してまいります。基本方針としましては、学校・家庭・地域・行政が連携・協力して、子供たちの『生きる力』を育みます。また、一人一人が故郷を誇り、共に学び生きる町をめざします。

 学校給食につきましては、引き続き給食費の無償化に取り組み、保護者の教育費負担の軽減を図るとともに、安全・安心な給食を安定的かつ継続的に提供するため、給食調理業務の委託を行ってまいります。

 生涯学習の推進につきましては、幅広い年代の方々が、共に学び楽しめる教室や講座、将来を担う青少年を育む支援事業を実施してまいります。

 また、生涯学習の拠点である中央公民館の整備については、本町の将来を見据えたまちづくりにおいても重要なピースとなるよう、施設の複合化を視野に入れながら検討してまいります。

 スポーツの推進につきましては、「ウィズ・コロナ」の時代の中で、町民の皆様が安全にスポーツに親しみ、健康的な生活を送れるよう、町スポーツ協会やスポーツ推進委員とも連携を図りながら、快適なスポーツ環境の提供に努めてまいります。

 伝統文化の継承と振興につきましては、本町の歴史遺産・伝統文化は、我が国の歴史文化の一部であるだけでなく、町民のアイデンティティであることを十分に踏まえ、その保護に努めるとともに、町の活性化にも寄与できるよう活用を図ってまいります。

 

6「安心・安全に暮らせる町民との協働によるまち」では

 

 災害に強いまちづくりを推進するため、「国土強靭化地域合同計画」や「地域防災計画」に基づき、町民の生命・財産などの安心・安全に努めてまいります。

 また、災害時における地域防災の要となる自主防災組織については、地域住民の協力を得ながら、組織の設立促進を図ってまいります。

 水害対策についても、水防災意識の再構築と『一宮川流域治水協議会』で掲げる、流域全体で水害を軽減させる流域治水に取り組んでまいります。

 協働の推進につきましては、町民の団体等が主体的に取り組む地域活性化事業や町のPR事業に対し、まちづくり町民提案事業補助金による支援を行い、長南町をより良いまちにしたいと願う町民の皆様と町が、互いに連携協力できる関係づくりを推進してまいります。

 最後に、長南町のまちづくり全般につきまして、5年後、10年後のまちづくりのイメージを誰にでもわかりやすく示し、町民と行政の協働によるまちづくりをより一層推進するため、長南町第5次総合計画に基づく「まちづくり計画図」を作成し、長南町の将来のイメージを町民の皆様と共有しながら“ふるさと長南の再生”に全力を尽くしてまいります。

 以上、令和5年度を迎えるにあたり、町政に関する私の姿勢を述べさせていただきました。

 何卒、よろしくお願い申し上げます。

 

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